2019年度の確定申告が今週2020年2月17日(月)から始まりましたね。
個人的に毎年恒例「初日」に提出していて、今年も「初日提出記録」を更新できました。
【2023/02/24追記】2022年度も2/16に提出完了しました。15年連続で初日提出しています。
こんにちは、コンピュータケア愛媛の菊池です。
その確定申告、特に青色申告に関して「これはすごい!」という本に出会えましたので、ぜひご紹介させてください。
その本とは
※2023/02/24 遅くなりましたが最新版に差し替えました
読者対象はフリーランス(個人事業主)です。
amazonの「カテゴリ 所得税」でベストセラー1位にもなっているようです。
納得です。
個人的に過去10年間白色申告していましたが、今回初めて青色申告しました。
それが出来た最大の理由がこの本のおかげです。
正直「もっと早くこの本に出会えていたら・・・」と思いましたので、いつか青色申告に切り替えたいと思っている方に向けて、ぜひご紹介したくて記事を書いています。
(一番お勧めなのは、今年起業されたばかりで、来年2021年2月に初回の確定申告をされる方です)
ご参考:この本の初版は2006年で、毎年更新されて毎年最新版が出版され続けています。
何がいい?
本の内容がとてもいい!
この本のターゲットは「初めて青色申告する人」です。
初めての人でも「経理・節税の知識」と「青色申告に必要な基礎知識」を最短で学べるように工夫されています。
菊池が購入したのは去年なので [2018-2019年度版] です。
以下、ページ情報を何箇所か記載しているのは [2018-2019年度版] でのページなので、改定時に多少変更になっているかもしれません。
付録の青色申告ソフトがすごくいい!
この本は定価¥1,980なのですが、驚くことに読者特典として市販ソフト顔負けの青色申告ソフトが無料で付属しています。(ダウンロード版)
【注1】このソフトの動作環境は Windows版のExcel2010以降です。(詳細は 公式サポートページ をご覧ください)
【注2】マクロが使えない環境では動作しないため、購入前にバージョンをご確認ください。(注1のリンク先に詳細あり)
【注3】このソフトは電子帳簿保存法に未対応のため、65万円控除を受けるためには、e-Taxする必要があります。
「無料の付録?おまけレベルでしょ?」と思った方がいるかもしれませんが、全然違います。
初めて青色申告する人でもこれ1本で青色申告できてしまうように様々な工夫が盛り込まれていて、本当に使いやすいのです。
ひとことで言うと、本の通りに記帳していく(仕訳を入力していく)だけで、集計(残高試算表)のみならず、総勘定元帳も、損益計算書も、貸借対照表も、青色申告決算書も、ボタン1つで「提出する帳票の形で」生成されるので、あとは確定申告書類に転記するだけ(e-Taxの画面に入力するだけ)という「至れり尽くせり」ぶりです。
もちろん本の中でスクリーンショットをふんだんに使って操作方法が解説してありますので、本の通りになぞって行けば、初めてでも十分使いこなせると思います。
(サポートサイト があるのでそこで「よくある質問」を確認することも出来ますし、サイトを見ても分からない場合は、読者登録 することで、青色申告ソフトの使い方自体について無料でメールサポートまで受けることができます)
青色申告するためには
『青色申告したい年度の3月15日までに、税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出すること』が必要です。(p.50)
3月15日に間に合わなかった場合、その年度は青色申告できず、翌年度からになります。
次回2021年2月の確定申告から青色申告したい方は、今年2020年3月15日以前に税務署に行って、必要な手続きをしてみてください。
今ならまだ間に合いますね!
青色申告のメリットとデメリット
メリット
ほとんどの人にとって「様々な節税ができる」ことが最大の動機だと思います。
「どんな節税ができるか」の具体例がp.46~47に詳しく書かれています。
少しだけ引用させて頂くと
- 青色申告特別控除65万円を受けられる
- 家族に支払った給与を必要経費にできる
- 高額の領収書(30万円未満)を一括経費にできる
- 貸倒引当金を活用できる
- 赤字が出たら損失分を翌年に繰り越せる
などです。(詳しくは書籍を購入してご覧になってみてください)
この中で全員に関係があるのは「1」の「青色申告特別控除65万円」だと思います。
菊池は1年前に最寄りの税務署に行って「青色申告特別控除65万円を受けられるための手続きを教えて頂けますか?」とお伝えして、手続きをしてきました。(ド直球 笑)
もう1つ「やってみて体感した大きなメリット」があります。
既にされている方からは「何を当たり前のことを・・・」と言われそうですが、損益計算書と貸借対照表を作成することにより、自社の経営状況を数値化できることです。
白色申告の時にも途中から月次決算していましたので、当然集計は行っていました。
しかし青色申告に切り替えて、複式簿記を付け、残高試算表を見て、損益計算書と貸借対照表を見て、数字に対する意識が今まで以上に上がりました。
その意味で「第8章 利益を分析しよう!」はとても価値のある章だと思います。
デメリット
「複式簿記による記帳」は「簡易簿記による記帳」より面倒くさいことです。
個人的にはこの一点に尽きます。
ただこれも、仕訳を数百個も記帳しているうちに少しずつ慣れてきますから、複式簿記の記帳を覚えた今だと「数稽古で慣れるから大丈夫」という印象です。
青色申告特別控除65万円を受けるための条件とは
国税庁ホームページに記載されています。
No.2072?青色申告特別控除|国税庁
本p.55には、フローチャート形式で上記よりも分かりやすく書かれています。
- 青色申告承認申請書を税務署に提出していること
- 業務を事業規模で行っていること
- 複式簿記による記帳をすること
- 損益計算書と貸借対照表を作成すること
- 期限内(3月15日まで)に確定申告を提出すること
上記をすべて満たした上でe-Taxすることで、65万円控除を受けることができます。
(実際にできました)
【ご参考】平成30年度 所得税の税制改正 フリーランスのための超簡単!青色申告
本当に3日で出来る?
本の表紙に「経理が分からなくても、3日で攻略できる!」と書いてあります。
もし個人的に「菊池さんはどう思う?」と聞かれたら、次のようにお答えします。
「経理が分からなくても 1日8時間以上やれば 3日で攻略できる可能性があると思いますよ。」
(注:所要時間は仕訳の数に大きく依存すると思いますので、あくまで菊池個人の感想です)
その根拠は次の通りです。
菊池は白色申告はサクサクできるレベルになっていましたが、青色申告はホントに初めてだったので、分からない用語の解説を本の中でうまく見つけられなかった時は、1つずつGoogle検索しながら読み進めたため、1回目を読み終えるまでに1日1時間×14日程度かかった気がします。
普通の頭脳の人(菊池)には1回ですべて理解・吸収できるはずもなく、当然2回目を読みながら作業を行っていったのですが、2回目にも10時間位かかったのではないでしょうか。
あくまで個人的な体感ですが、いったんの完成までに14時間+10時間=24時間程度はかかりましたので、もし仮に3日でやろうと思ったら、1日8時間以上かな?と思った次第です。
(暴露)
いったんの完成後、記帳ミスがあることが判明して、レビュー&修正するのに10時間程度かかりましたので、合計で34時間程度はかかっていることになります。
これを単純に3日で割ると「1日12時間×3日」になりますね。
仮に36時間かかる場合、高い集中力を3日連続かつ12時間連続で続けるのは難しいと思いますので、もう少し日数を取って取り組まれることをお勧めします。
まとめ
「百聞は一見に如かず」です。
わずか¥1,980程度でここまでコストパフォーマンスの高い投資先はめったに見つからないと思います。
現在白色申告していて、青色申告に切り替えるきっかけを探していた方は、ぜひ挑戦してみてください。
青色申告に二の足を踏んでいた方が、切り替える1つのきっかけになれば幸いです。
※2023/02/24 遅くなりましたが最新版に差し替えました
最後に
この本を紹介してくれた 友人 に感謝しています。
そして素晴らしい本とソフトを出版して下さいました著者の塚田祐子様に改めてお礼を申し上げます。
付記:税務署の無料記帳指導について
ここまで読んで頂くと(Google検索は除いて)この本一冊だけで初めての青色申告を乗り切ったと読めてしまいそうですので、正直に1つ追記しておきます。
記帳(仕訳)の基本的な情報は「第3章 これだけでOK!青色申告に必要な基礎知識」にとても詳しく書いてありますので、人によっては3章を読むだけで十分できそうです。
もし本で分からないことがある場合、前述のとおり、公式サポートサイトがありますので、ご覧になってみてください。
ただし記帳指導は無料サポートの対象外となっています。当然だと思います。(注:有償サポートあり)
しかし本の中で、税務署の無料記帳指導について紹介されていたので、それを利用することにしました。
(こんな感じで、本にしてもソフトにしても本当に「至れり尽くせり」だと思います)
この本では主に「仕入作業のないフリーランス」を主な対象にしているようです。
当社 コンピュータケア愛媛では、PCそのものの販売(小売)は行っていないものの、PC修理時の交換部品などを仕入れたりするため、本書の主なターゲットを少しだけはみ出ていることもあって、税務署の無料記帳指導を受けたいと思いました。
もしあなたが「仕入作業のないフリーランス」であれば、税務署の記帳指導なしで、本当に本書だけで独力で青色申告できる可能性が十分あると思います。
本書の青色申告ソフトは仕入にも対応しているので、その点は心配無用です。
付記:記帳(仕訳)で困った時は
上記の通り、税務署に行けば無料で記帳指導を受けられますので、ぜひ税務署に行ってご質問されてください。
税務署の無料記帳指導の中で
税理士以外の者が税務相談等を行うと「税理士法違反」になります。
たとえ金銭の授受等が無くても処罰される恐れがあります。
と釘を刺されましたので、確定申告の記帳(仕訳)に関するご質問は一切お受けできません。
(以前、税務署の正面に上記セリフが書かれた大きなポスターが貼られていたのを覚えています)
【参考URL】国税庁ホームページ>非税理士により行うことが禁止される税理士業務
この記事は「あくまで良書の紹介記事」としてご覧くださいませ。
おまけ
2022/10/01追記
↓
Impress Watch 2022年9月29日 10:31
【レビュー】日本郵便「書類溶解サービス」を使ってみた 確定申告書類処分に最適?
使うかどうかはさておき、備忘録的に追記しておきます。
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