Microsoftの思惑、あなたはどう読む?
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こんにちは。
コンピュータケア愛媛の菊池です。
3回シリーズで「AI(人工知能)」および「AI PC」についてお届けしています。
前編 「AIって何?」「生成AIって何?」「AI PCって何?」
中編 「Copilot+ PCって何?」(MicrosoftのAI PC新製品をチェックすると思惑が見えてくる?)←今回
後編 「AI PC」編まとめ~買い時はいつ?(菊池はいつAI PCを購入する予定?)
「Copilot+ PCって何?」(Microsoftの新製品をチェックすると思惑が見えてくる?)
※「Copilot+ PC」の読み方は「コパイロット プラス ピーシー」
前回の最後で次のように書きました。
>PCの頭脳(CPU)メーカーのIntelやAMDは、昨年からAI PC用の製品を発表しています。
>それに続いて、2024年5月にMicrosoftが発表したのが「Copilot+ PC(コパイロット プラス PC)」という新しいPCブランドです。
今日はその続きです。
英単語の Copilot とは「飛行機の副操縦士」の意味です。
あなたがあなたのPCの操縦士で、Copilot(AI)が副操縦士というイメージです。
最初は「Bing Chat」と呼ばれていましたが、2023/11に「Copilot」に改称されました。
中身はOpenAI社の ChatGPTです。(MicrosoftはOpenAIの最大のスポンサー)
Copilotの単語の意味は分かったけど「Copilotってそもそも何?」という質問が聞こえてきた気がしましたので、簡単に説明しますね。
分かりやすくざっくり言ってしまうと「ChatGPT(賢いAIがチャットの返信をしてくれるサービス)をMicrosoftが自社サービスとして提供しているもの」です。(細かい仕様は異なりますが、ここでは省略しています)
Microsoft Edge(webブラウザ)を起動すると、
ウィンドウ右上にこのマーク(赤枠)があります。
ここを起動すると、ChatGPTみたいにチャットできる画面が開きます。
ここから使うことが出来ます。
2024/07のWindowsUpdateのあと、タスクバーまたはタスクトレイに
または
というアイコンが追加されていることに気づいた方もいらっしゃると思います。
こちらからも起動可能です。(見た目が異なるだけで中身は同じです。)
Microsoftが「Copilot+ PC」を発表した直後にImress Watchに記事が掲載されていたため、数回熟読してみました。
Microsoftサイト>Copilot+ PC の紹介 – News Center Japan
※ページ冒頭の画像はこのページからお借りしました
「Copilot+ PC」の発表記事(Imress Watch より)
- 「Copilot+ PC」とはなにか マイクロソフトが狙うUX変化とWindowsの再設計
- PCの新時代 マイクロソフトが新ブランド「Copilot+ PC」 新型Surfaceも
- 新Surfaceが「Copilot+ PC」で変えるPCの姿 MacBook Airへの対抗
読んだ感想は、分かったような、分からないような・・・。
個人的には、きれいな言葉に包まれて?本質が見えにくくなっているような印象を受けました。
上記はあくまでMicrosoftの発表内容なので、当然「編集」がかかっているはずです。
そこで上記以外の解説記事やレビュー記事や同様のyoutube動画をいろいろ見てみました。
やっと意味が分かった!と思えたので、菊池が調査したエッセンス部分をご紹介させて頂きますね。
「Copilot+ PC」をひとことで言うと、「Microsoftが決めたAI PCの ノートPCの ブランド名」です。
「ノートPCの」というところがポイント1です。
デスクトップPCでもっともっとAIの処理性能が高いPCがあっても、Microsoftの条件を満たさないので、「Copilot+ PC」とは呼んでもらえないようです。
「ブランド名」というところがポイント2です。
分野としてはあくまで「AI PC」の1つです。
Microsoftが新しく作ったブランド名(カテゴリ名)が「Copilot+ PC」です。
ここまで分かったら、次に気になるのは「Copilot+ PC」って何がすごいの?ですよね。
主な特徴と思われるものをご紹介します。(画像は上記リンク先などでご覧ください)
- 「Recall」(PC操作をすべて記録しておき、曖昧な語句でも過去を検索できる機能)
過去にネットで青いドレスを閲覧していたら、後日それが検索できたり、過去にペイントで赤い車のイラストを書いていたら、後日それが検索できたりするようです。
正確なサイト名やファイル名は不要で、見た目のキーワードで検索できる所が特徴です。 - プレイ中のゲームにリアルタイムで攻略情報を教えてくれる機能
例としてマインクラフトやフライトシミュレーターが取り上げられていました。
サポート範囲が特定のゲームだけなのか、もっと広く使えるかにもよりますが、「ゲーム」の枠を超えて活用できそうな魅力があります。 - ペイントで手書きした絵を生成AIがきれいに仕上げてくれる「Cocreator」
画面の左側に手書きでお絵かきすると、画面の右側できれいに清書してくれるイメージ。 - 選択した画像に似た画像(イラスト・写真)を生成してくれる「Image Creator」
画像ファイルを選択した時の右クリックメニュー?に出ていた機能。 - オフライン同時通訳機能
オンラインなら今や普通に出来ることですが、オフラインでもこれが出来るようになるようです。
すごいことはすごいのですが、災害でもない限り、基本的には常時インターネットにつながっていると思いますので、どれくらいニーズがあるか不明です。 - 新しいチップ(次回解説予定のNPU)を追加したことにより、これまではクラウド上(サーバー上)で実行していたAI処理の一部をローカルPC内で実行できるようになった。
(エンジニア的にはこれが 1. なのですが、今回はあえて最後に記載しました)
上記の中で一番の目玉は「1. Recall機能」だと思います。
こんな処理をクラウド上でされてしまったら、プライバシーもセキュリティもあったものではありません。
これこそローカルPC内で処理するのが最適です。
しかしその目玉機能の開発が間に合わなかったようで、「Recall」機能は無効の状態での見切り発車(見切り発売)となったようです。
中途半端な理由を少し調べてみたところ、
「Appleが秋の発表をする前に、Microsoftが先手を打っておきたかった」
という商業上(マーケティング上)の理由のようです。
それってユーザー目線ではなく、メーカー目線ですよね。
いろいろ書きましたが、「Copilot+ PC」を菊池GPT(笑)で要約すると、は次の通りです。
(ChatGPTにしろ菊池GPTにしろ、誤りが含まれる可能性があります)
■「Copilot+ PC」概算価格(Qualcomm Snapdragon X Elite/Plus 搭載製品の場合)
20万円~30万円(現行の一般的なノートPCよりかなり高額)
■「Copilot+ PC」現時点でのまとめ
- ネットがなくてもAI処理の一部をPC内で実行できるようになった「AI PC」
(ChatGPTを含む生成AIはインターネット上=クラウド上で使う形です)
(プライバシーの情報漏洩などが気になる方にはかなりいいと思う) - しかし肝心の機能が未完成の状態で見切り発売された中途半端なノートPC
(中途半端感がハンパない) - AI処理をする最新高性能部品を搭載しているため、従来のノートPCよりかなり高額
(初物は高い) - Copilot(コパイロット)を起動するための専用のキーボードのキーが追加されている
(別に専用キーがなくても起動できるので個人的には不要だと思う、あってもいいけど) - Apple製品(M4チップ搭載の最新機種)よりWindowsの方がすごいと言いたそう
(AI PCはMacではなくWindowsだ!と言いたいようです) - 頭脳の部品(CPU)が従来とは別物のため、従来のアプリは動作速度が遅くなる or 動かない可能性がある(従来のWindowsユーザーにとって一番の問題がココだと菊池は思う)
- 2024年末までに従来の頭脳(CPU)メーカーの部品を搭載した機種が追加される予定
(個人的にはこれが一通り揃って初めてスタートラインだと思っています)
ご参考になると幸いです。
次回は
後編 「AI PC」編まとめ~買い時はいつ?(菊池はいつAI PCを購入する予定?)
をお届けします。
どうぞお楽しみに!
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